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2011年4月28日木曜日

「好きな材料」と「嫌いな材料」

 東京校・全日制コースも、4月11日の入学式から、ほぼ3週間が過ぎました。教室での講義やまちなみ見学など、順調に授業も進んでいます。
 今日は、竪川先生の授業「材料知識」の一コマをご紹介します。ご承知のように、エクステリア&ガーデンに使用される材料は多種多様。レンガやタイル、コンクリート製品(ブロックやインターロッキング)、金属製品(門扉やフェンス材)、そして、石や竹、木材などの自然材料。更に、壁や床の仕上げ方法までが、「材料知識」の範囲。これらの材料を知らないと設計できない訳ですから、かなり重要な知識です。現物を見ながら、それぞれの材料について、先生から講義をしていただきます。
 そして、課題「好きな材料と嫌いな材料」の発表風景。自分が「好き/良い」、「嫌い/悪い」と感じたエクステリアの材料について、写真を撮って発表します。これは、あくまでも生徒本人の感覚で判断しています、他意はありませんので。念のため。
 因みに、生徒が好む材料は、レンガや天然石、竹垣などの「自然素材」に集中するのは例年通り。逆に、コンクリートブロック造の塀やアルミ製のフェンスなどは、①デザインが単調になってしまう、②圧迫感を感じる、③人工的で温もりがない、という理由で、あまり人気がありません。
 自然素材の最大のメリットは、「時間ともに材料の風合いが変化して、“景観”としての雰囲気が上がっていく」こと。「庭作りは、完成してからが始まり」という作庭の大原則は、植物を中心として、自然材料で構成されていることに他なりません。エイジング効果(経年変化を楽しむ)は、エクステリア&ガーデンの醍醐味。自然とのつながりを感じる、日本人の遺伝子に組み込まれた感覚。この点を、殆どの生徒が自分の感覚として持っているのは、さすがです。
 
 反対に、シャープでモダンなデザインを好む場合は、コンクリートやアルミ製品の出番も増えてきます。人工的に作り出される「直線」的なデザインは、建築的な感覚で好まれます。自然素材では得られない屋外環境での耐久性。「メンテナンスがいらない」ことを重視する住民もいますから。。。しかし、写真のように、コンクリートブロックでも、植物をふんだんに取り入れて、デザインに変化(壁を前後にずらす)をつけたり、穴あきブロックを組み合わせたりと、充分にカッコいいデザインになります。
 材料を生かすも殺すも、結局は、設計者の使い方次第。「良いものも悪いものも、たくさん目にして、“引き出し”を増やすのが先決。今日も、生徒たちは見学授業に出掛けます。やっぱり、実際に「見て覚える」のが一番です!

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